エンルムの春風-北海道・襟裳岬

エンルムの春風-北海道・襟裳岬

北海道ほっかいどうの地名ちめいを歌うたった歌謡曲かようきょくが多おおい。北海道ほっかいどうといえば、なんとなく、サイハテとか、辺境へんきょうとかいったロマンチックなイメージが強つよいからだろう。岬みさきの土産物みやげもの店てんから聞きこえる「はるばるきたぜ はあこだてえ」の歌うたも、長旅ながたびで疲つかれた体からだには、むしろさわやかに感かんじられてくるから不思議ふしぎだ。

  • サイハテ:
  • ロマンチック
  • 疲れ
  • むしろ: rather, quite; better, in a superior way; instead
  • さわやか: vigor, freshness, liveliness; balminess, mildness, pleasantness

襟裳岬えりもみさきを歌うたった歌うたが二ふたつある。かつて島倉しまくら千代子ちよこが唄うたった「風ふうはひゅるひゅる波ははざんぶりご」(丘おか灯とう至いたり夫おっと作詞さくし)それに森もり進一しんいちのヒット曲きょく「えりもの春はるは 何なにもない春はるです」(岡本おかもとおさみ作詞さくし)

  • 島倉 千代子 : (1938-2013)日本女歌手。 岛仓千代子是日本首个达到参加红白连续出场30次的歌手,当年最高记录的创造者
  • 森進一: 本名森内一宽 。1947年出生于日本山梨县甲府。代表曲有“港町布鲁斯”、“母亲”、“襟裳岬”(1974年)等。

「歌うたのヒットでお客きゃくもだいぶ増ふえたでしょう」。みやげ物もの店てんの店員てんいんに聞きくと、「それはもう…」と思おもわず口元くちもとがほころぶ。 島倉しまくら千代子ちよこ 、森もり進一しんいちサマサマなのだそうだ。

  • ほころぶ: come apart at the seams; begin to open; smile broadly

広ひろい駐車ちゅうしゃ場じょうには、全国ぜんこくさまざまのナンバーを付つけたマイカーが、ぎっしり並ならんでいる。荷物にもつを屋根やねの上うえまで積つみ上あげ、ボディーに北海道ほっかいどう一周いっしゅう中ちゅう、などと書かいてあるグループや、新婚しんこん旅行りょこう中ちゅうらしい若わかい二人ふたりなどが、次つぎから次つぎへとひっきりなしに車くるまから降おりて来くる。オートバイや自転車じてんしゃで乗のり付つける若者わかものも結構けっこういる。行いき先さき定さだめぬ気きままな旅たびが、当世とうせいはやりなのだそうだ。

  • ぎっしり: 满满的
  • 荷物: 货物,行李,负担,累赘
  • 積み上げ : 堆积,积累
  • グループ : 群,组,集团,团体
  • 次から次へ : successively, one by one, one after another, in succession, continuously, sequentially
  • びっくり : 吃惊,吓一跳
  • なしに : without, with none
  • オートバイ : [名]摩托车
  • 行き先 : 去的地方,目的地
  • 定める : 定,决定,规定,制定
  • 気まま : 随便,任意,任性
  • 当世はやり : popularity, prevalence; fashion, vogue; epidemic

灯台とうだいの建物たてものに沿そって岬みさきへ向むかうと、左手ひだりての見晴みはらしの良よい空あき地ちに、大おおきな歌碑かひが建たっている。「風ふうはひゅるひゅる…」、つまり島倉しまくら先代せんだい子この唄うたった「襟裳岬えりもみさき」の詩しで、なんでも彼女かのじょが岬みさきに来きてくれた記念きねんにと、地元じもとの人ひとたちが建たてたのだそうだ。森もり進一しんいちの唄うたったほうは…、まだない。

  • 見晴らし: 眺望,景致
  • なんでも: anything, something

襟裳岬えりもみさきは、まさにアイヌ語ごの「突つき出でた頭あたま」で、頭あたまの先さきは六ろく、七なな十じゅうメートルぐらいのきり立たつ断崖だんがいである。そして頭あたまの先さきかから沖合おきあいめざして巨大きょだいな岩礁がんしょうが点々てんてんと延のびている。それは太平洋たいへいように向むかって繰くり出だした槍やりの穂先ほさきにも見みえるし、また海うみに潜くぐろうとする恐竜きょうりゅうの背鰭せびれにも見みえておもしろい。沖合おきあい八はちキロも続つづくそうだが、岩礁がんしょうに荒波あらなみがぶつかり、たえず白しろい飛沫しぶきあげるさまは、ゴーッとうなるような海鳴うみなりとあいまって、素晴すばらしい男性だんせい的てきである。後うしろを振ふり返かえれば、北海道ほっかいどうの背骨せぼね、日高ひだか山脈さんみゃくがすぐそばまで迫せまってくる。まさに、ここは山脈さんみゃくが海うみに没ぼつの地点ちてんであるが、そうすると海うみのなかにまで鋭するどい山並やまなみが続つづいているのだろうか。

  • 沖合い: 海上,海面上,洋面上,湖里面,湖心
  • たえず: constantly, continuously
  • あげる: lift, fly, raise
  • 迫る: 强迫,迫使,迫近,逼近
  • 鋭い: 锋利,尖锐

表現文型

① 名词结句,文学描写方式之一,多于用文章当中。

  • 風はひゅるひゅる、波はざんぶりご 。
  • まず雪が溶けだす時のにおい。/ 首先是雪开始融化时的气味
  • かすかに煙ったい感じ…。/ 感觉有些烟气熏人。

② 历史现在时

  • みやげ物店の店員に聞くと、「それはもう…」と思わず口元がほころぶ。/ 我问了一下礼品店的店员,“那是当然”,他不由自主地喜形于色。
  • マラソンのゴールは遠かった。しかしぼく走る。どこまでも足を運ぶ。/马拉松的终点很远,但是,我在跑。要跑到头。
  • 彼は十年前に大学を卒業し、会社に就職する。/ 他十年前从大学毕业,就职于一家公司。

③ なんでも~そうだ。表示不肯定的传闻

  • なんでも彼女が岬に来てくれた記念にと、地元の人たちが建たのだそうだ。/据说好像是为了纪念她访问海角,当地人建的碑。

④ まさに。表示“确实、即将”之意

  • 襟裳岬は、まさにアイヌ語の「突き出た頭」で、頭の先は六、七十メートルぐらいのきり立つ断崖である。 / 襟裳海角正如阿依努语所的那样,如同“突出的头部”,其头部是六七十米高的悬崖峭壁。

⑤ 名詞(と)あいまって。书面语,表示相辅相成,相互作用。

  • 岩礁に荒波がぶつかり、たえず白い飛沫をあげるさまは、ゴーッとうなるような海鳴りとあいまって、素晴らしい男性的である 。/ 大浪撞击岩礁,不断出现白色水沫,再加上隆隆的海鸣声,凸现出的景色如同男性之美。

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