週にバイリンガル ニュース

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マスクで声が「見えない」現状知って 聴覚障害者支援のNPO

マスクで口の動きや表情が隠れ、相手の声が“見えない”。新型コロナウイルス禍での聴覚障害者の苦境を知ってもらおうと、NPO法人「サイレントボイス」(大阪市中央区)が、店員の声が聞こえない状況で買い物をしてもらう体験イベントを開催した。口の動きが見える透明のマウスシールド計1万枚を希望者に無償で配るプロジェクトも実施し、「現状を改善するきっかけにしたい」とする。(藤井沙織)

 コロナの感染拡大に伴いマスクの着用が求められる中、聴覚障害者への教育事業などを展開する同法人には、特に難聴などの聞こえにくい障害のある人から「相手が何を話しているか分からなくなった」という悩みが数多く寄せられるようになった。

 聴覚障害者のコミュニケーションにおいて、相手の顔を見ることは重要だ。手話を使う場合でも、残存聴力や人工内耳によって声を聞き取る場合でも、表情や口の動きから内容をより正確に把握するためだ。当事者の要望を受け、大阪府の吉村洋文知事は記者会見でマスクを外しているほか、他の知事らの会見でも、手話通訳者はマスクをせずフェースシールドなどで顔を見せている。

 だが「暮らしの中にある聞こえにくい人の困りごとには、気づいてもらえていない」と、法人代表の尾中友哉さん(31)は訴える。職場や学校、店などでは、相手の顔を見て行われていた難聴者らのコミュニケーションが阻害された状態が続く。そこで同法人は今月上旬、聴覚障害者の日常を疑似体験するメディア向けのイベント「爆音コンビニ」を東京で開催した。

 コンビニエンスストアはポイントカードやレジ袋の有無、総菜を温めるかどうかを尋ねられるなど、店員とのやり取りが多い場所だ。イベントでは、コンビニを模したスタジオに店員の声をかき消す大音量のBGMを鳴らし、からしが必要かどうかを聞かれる肉まんや年齢確認を求められるたばこなど、購入する商品を指定。参加者からは「写真や文字などを活用する必要がある」「何を言われているか分からず、店員さんが怒っているように感じた」といった感想が寄せられた。

 イベントに併せて行った透明のマウスシールドの無償配布には、全国の学校や企業などから希望が殺到したほか、「同僚に配りたい」と当事者個人での応募もあった。

 「まずは試してもらい、効果があると感じたら導入してほしい」と尾中さん。「完璧な解決策とは言わない。(口元を完全に覆えず)マスクと比べ感染症対策としての効果に疑問符もつくが、『ではどうしようか』と考えるきっかけにしてほしい」と訴えた。

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